私はカバになりたい

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若い読者のための哲学史

著者

 ナイジェル・ウォーバートン (著), 月沢 李歌子 (翻訳)

目的意識

 西洋哲学の潮流を把握する

概略

 古代のソクラテスから現在のピーター・シンガーまで西洋哲学の流れを網羅的に記載した哲学史。総勢で40名程度の哲学者について紹介されており、個人的に初めて知った哲学者(ピュロンエピクロスなど)もいました。思想に影響を与えたという理由で、哲学者ではないダーウィン(進化論の発見者)やチューリング(現在のコンピュータの基礎を作った人物。第2次世界大戦でドイツ軍の暗号のエニグマを解読したことでも有名)についても紹介されていました。

 タイトルは「哲学史」となっていますが、「西洋哲学史」が正しく、東洋哲学、イスラーム哲学には記載が文中に少し触れられていた程度でほとんど記載はありません。通常の哲学史とは異なり、年代別に章立てされておらず、人物別で章立てされています。おおよそ古代から現在までの流れにそって哲学が紹介されていますが、若干時代の順序が前後する箇所もありました。

オススメポイント

 以下のような方は本書を楽しく読めると思います。

  • 西洋哲学の思想の変遷をざっと理解したい
  • 古代から現在までの代表的な哲学者について学びたい
  • 哲学者が影響を受けた哲学者について知りたい

 逆に以下のような方は別の作品の方が向いていると思います。

まとめ

 西洋哲学の入門にはピッタリの1冊。哲学者ひとりにつき大体5-10分程度で読める分量なので、通勤時や寝る前でも読めるのでかなり読みやすいです。 この本で哲学に詳しくなるというよりは、興味を持てる哲学を発見することに適した作品かと思います。

若い読者のための哲学史 【イェール大学出版局 リトル・ヒストリー】

若い読者のための哲学史 【イェール大学出版局 リトル・ヒストリー】